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サンフランシスコの桜祭
今年も4月中旬に日本町で第39回桜祭が開催された。近畿鉄道が日本町に所有していたホテル等の不動産売却を決定し、新しいオーナーがイラン系ユダヤ人になったこともあり、将来の日本町がどのように変化していくかわからないという不安材料を抱えての桜祭であった。 今年の桜祭では日本で活躍する中国の蘇州出身の歌手、李広宏(り こうこう)の歌と西川流の本格的な日本舞踊などが楽しめた。 李広宏は子供の時から劇団に所属していたそうで、きれいな発音と澄んだ歌声で日本の唱歌を日中両語で大陸的に朗々と歌い上げてくれた。それを聞いていたら感動のあまり涙が出てしまった。舞台慣れしていて実に堂々としたパフォーマンスにも魅せられた。 歌は人の心を和ませる。最近日中関係がギクシャクしているが、このような文化交流はやった方が絶対に良いと感じた。人間の心には鬼も神も宿っているのだから、神の部分をくすぐった方が勝ちであろう。 特に「蘇州夜曲」のメロディーと歌詞にはすっかり悩殺されてしまい、インターネットで蘇州、李香蘭、イサム ノグチ、川島芳子、渡部はま子などのことを調べまくった。おかげでしっかり昭和史のお勉強をさせてもらった。アメリカから見ると日本と中国は同じ文化圏に属していて親戚同士のようなものだ。過去の歴史を繰り返さずに平和的共存を願ってやまない。 西川流の本格的な日本舞踊には一種独特な繊細さがあふれ日本文化の独自性を強く感じた。日本人および日本文化には大陸的なスケールの大きさのかわりに大陸の人にはとてもまねのできない細やかさが備わっているようだ。 このように私は 毎年の桜祭のイベントを楽しみにしている。1995年あたりまでは大勢の日本人がこの桜祭に無償で参加してくれて恒例のパレードも大変な盛り上がりを見せたものだが、9.11 の同時多発テロ事件以来、日本からの参加者の数が激減し、今ではちょっと寂しい桜祭のパレードになってしまっている。 以前は国際親善のために日本でもめったにお目にかかれないような本当に素晴しい芸能を無料で見せてもらったものだ。1995年の桜祭では、はっとするほど切れの良い剣舞の大先生(失礼ながらお名前を忘れてしまった)の踊りや、レコード会社専属の振り付け師の素晴しい舞踊などを楽しませてもらった。 聞くところによると、日本には国際親善のための予算が計上されている県もあるらしい。日本の経済が芳ばしくないことは十分わかっているが、サンフランシスコの桜祭のために今後も人材を派遣し続けて欲しいものだ。そうでないと我々日系人はちょっと肩身が狭い。歌や舞踊、太鼓などの郷土芸能を是非このサンフランシスコの桜祭でご披露下さい。 |